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第585回 平成29年1月29日

                 吟行 京都水族館

 

選者吟

我が薄き陰に入り来る寒雀          幹三

寒梅の香の濃き方に歩みたる

電車見るための椅子あり冬ぬくし

 

 

幹三 選

岩の上アシカ二頭の日向ぼこ    瑛三

冬空へ高くまあるくイルカ跳ね   眞知子

◎春近し動輪ゆるゆる動きだす   輝子

◎滑らかな海豚の泳ぎ春隣     元彦

冬青草古都の真中に人遊ぶ     邦夫

冬ぬくしかつて市電でありしカフエ 眞知子

冬ぬくし電車の往き来飽かず見る  邦夫

大本山覆ふ凍雲動かざり      暁子

◎乱れなき大寺の甍冬日和     輝子

◎冬空の海豚の向かう東寺見ゆ   邦夫

庭園の木々に芽吹きの気配満つ   眞知子

◎春よ来い海豚コンビのハイジャンプ 元彦

グラウンドそこだけ動く寒稽古   暁子

二声三声汽笛届きて冬ぬくし    翠

春近しスチーム号の湯気の音    兵十郞

手入れよき早梅きりり匂いたる   邦夫

寒椿赤に力の漲れり        邦夫

機関車の蒸気もくもく草萌ゆる   兵十郞

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