待兼山俳句会
第630回 令和2年1月20日(月)
兼題 大寒・雪達磨(幹三)
初鏡・水仙(暁子)
卓上に ポインセチア・蜜柑・西洋柊の実
選者吟
よく切れる鋏近づく水仙花 幹三
子が母の紅を選びぬ初鏡
ポインセチアどこかに嘘のありさうな
大寒や渡り切れるか青信号 暁子
午後からは泣き笑ひ顔雪達磨
教室へ入りたさうな雪達磨
選者選
幹三選
熱下がり水仙香る夜明けかな りょう
◎目を採りに耳を探しに雪うさぎ 太美子
髭を剃る息に曇りし初鏡 瑛三
教室へ入りたさうな雪達磨 暁子
雪だるましやがむ児ほどの背丈かな 邦夫
おくれ毛や少女らしさの初鏡 かな子
アメリカで祖母のレシピの雑煮かな 茉衣
◎新婚の小さな家に雪達磨 輝子
水仙の淋しき花と見えし今日 安廣
どことなく母の面影初鏡 太美子
◎卓上に三つの蜜柑渇き増す 言成
初鏡先ずは口角上げてみぬ 橙
◎土手に猫もう水仙の咲いてゐる 輝子
膝つけば大寒の土ぬくぬくと 和江
大寒の窓に小さな唇のあと かな子
◎水仙の一輪挿せる車掌室 嵐耕
目覚めれば街大寒の中にあり 昴
◎北欧の旅に残せし雪達磨 兵十郎
水仙やホスピスの窓開けられて 遊子
もう誰も見向きもしない雪達磨 かな子
校庭の砂利もまざりし雪だるま 和江
◎水仙の一茎に部屋緊りけり 太美子
冬帽子躍る賑はひ魚の市 遊子
行く人を見送るばかり雪達磨 昴
大寒や遠くの空に重き雲 橙
雪達磨おやすみなさい又明日 橙
午後からは泣き笑ひ顔雪達磨 暁子
公園のベンチに二つ雪達磨 昴
黒き眼の堕ちたる痕や雪達磨 正信
◎韓見ゆる島の埠頭や蜜柑剝く 正信
暁子選
熱下がり水仙香る夜明けかな りょう
飲みすぎを咎めポインセチア赤し 眞知子
アメリカで祖母のレシピの雑煮かな 茉衣
北斎の富士を眼下に初飛行 正信
子が母の紅を選びぬ初鏡 幹三
◎自惚れも老いのエナジー水仙花 翠
ハンサムは一炊の夢雪達磨 乱
赤と緑句座を席捲猩々木 言成
手鏡も使うて母の初鏡 幹三
初鏡先づは口角上げてみる 橙
期すること有りて濃き紅初鏡 安廣
八十路まあこんな顔かと初鏡 翠
門前に居並ぶ子連れ雪達磨 洛艸
大寒の窓に小さな唇のあと かな子
北欧の旅に残せし雪達磨 兵十郎
◎とみかうみ微笑みもして初鏡 輝子
よく切れる鋏近づく水仙花 幹三
水仙やホスピスの窓開けられて 遊子
水仙の姿勢に学び腰伸ばし 洋一
順を待つ女三代初鏡 洛艸
正月や同じニュースを観て過ごし 洋一
◎この星の病むや大寒力失せ 翠
◎ポインセチアどこかに嘘のありさうな
幹三
野水仙なだれ傾れて荒海へ かな子
黒き眼の堕ちたる痕や雪達磨 正信
句座染むるポインセチアの火と燃えて 瑛三
韓見ゆる島の埠頭や蜜柑剝く 正信
◎大寒のしもつゆみはり際やかや 太美子