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第598回 平成29年12月2日 長岡京市

 

選者吟

空風や光秀落ちてゆきし門     幹三

極月の雲のちぎれてゆくところ

人死ねば石ひとつ置く寒さかな               

 

幹三 選

寒鯉の波紋の先は頭なり      橙

忠興の玉呼ぶ声や冬日向      邦夫

◎雉鳩のどこかで鳴いて小春空   輝子

◎銃眼を覗く人あり冬日和     橙

紅葉燃ゆガラシャの水に触れてみる 暁子

石蕗の花すがれガラシャの水渾々  言成

◎散る紅葉拾ひ歌ひつ母と坊    翠

◎閂の磨かれてあり冬の城     兵十郞

冬晴や高台にあるふれあひ館    暁子

◎堀端の空ろなる昼枯はちす    邦夫

枯葉浮くバケツ並べて神の森    兵十郞

一人来て小さき宮の紅葉かな    暁子

ほの紅き桜冬芽のすべすべと    輝子

竹林は暗しさざんか赤く咲く    眞知子

おもかげの水やはらかき石蕗の花  橙

◎銀杏散る大きな声の立ち話    暁子

冬青空忠興の城膨らみぬ      邦夫

日当たれば輝き戻す冬紅葉     言成

大楡の黄葉散らして神守る     兵十郞

ガラシャの哀史や紅葉燃え尽す   暁子

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