待兼山俳句会
第605回 平成30年5月21日
選者吟
晴天へ一機離陸の端午かな 浩一郎
新緑の校庭跳ぬる子なりしよ
来てくれし子らと五月の墓参り
香の中に冷たくありぬ柏餅 幹三
雲低き日のまつさらなカラーかな
胸板の厚さは父似端午の日
選者選
浩一郎 選
娘と嫁に妻の剪りたる海芋かな 邦夫
新緑の風さはやかに歩も軽く 嵐耕
◎声がはりせし子まだの子端午の日 幹三
カーネーション活け母さんと呼んでみる
輝子
環濠の海芋明るき寺内町 瑛三
父と子の風呂もたのしや菖蒲の日 瑛三
矢車の回れば子鯉吹き上がる 遊子
留守の間に新緑かくも鮮やかに 眞知子
◎いつまでも兄貴は強し柏餅 暁子
マロニエの花の道ある中の島 太美子
大阪城囲む新緑水光る 京子
◎小流れに海芋咲かせて街清し 翠
新緑や客待つ縁を開け放ち 輝子
吊橋の左右の新緑生き生きと 洛艸
◎初節句祖父母の夢の大きくて 太美子
新緑を吸ひ込み老の軽やかに 邦夫
新緑の山ガールと行く山男 瑛三
緑蔭を出で緑蔭へ入りにけり 陽子
蒸したての葉の香もほのと柏餅 嵐耕
雨の忘れ物海芋に銀の玉 太美子
◎若新緑を泳ぐが如く下山する 翠
◎新緑や白き駅舎の完成す 暁子
胸板の厚さは父似端午の日 幹三
独り居の老いの幸せ柏餅 翠
新緑の嶺々駆け下る比良颪 瑛三
幹三 選
◎新緑を触りて緩く匂ふなり 橙
◎新緑の校庭跳ぬる子なりしよ 浩一郎
柏餅残りし葉まだ匂ひをり 京子
晴天へ一機離陸の端午かな 浩一郎
緑さす淀屋橋から難波まで 輝子
花びらはたつた一枚海芋咲く 言成
環濠の海芋明るき寺内町 瑛三
暗闇のずつと向かうの風薫る 橙
柏餅二枚の大葉残し消ゆ 乱
下二本白き歯のぞく端午かな 乱
◎いつまでも兄貴は強し柏餅 暁子
海芋のどこから花の始まりて 橙
◎病める師の最後の句会額の花 暁子
◎新緑や客を待つ縁開け放ち 輝子
新緑を吸ひ込み老の軽やかに 邦夫
◎塾の子に布巾かけおく柏餅 暁子
柏餅樹の精子等に移りけり 邦夫
きつぱりと白に立ちたる海芋かな 浩一郎
◎泣き虫に海芋優しき通学路 安廣
◎新緑を泳ぐが如く下山する 翠
海芋活け昼の玄関明るうす 言成