top of page

第622回  大山崎吟行

      令和元年六月三十日 (日)

 

選者吟

荒梅雨に森は獣となりにけり     幹三

老鶯の雨強まれば強く啼く

暇さうな貌の鯉をり水草咲く

 

幹三選

◎梅雨雲の下に町あり大河あり    輝子

◎雨だれの大きが打ちしあめんぼう 兵十郞

◎夏越の日降りみ降らずみ坂下る   言成

荒梅雨や三川合流あのあたり     輝子

山路には老鶯の声よく似合う    眞知子

◎荒梅雨に集ふ句友に心寄す      乱

萬緑に沈み鎮もる美術館      眞知子

老鶯のよく鳴く庭や雨しきり     輝子

梅雨煙る魂も迷ふや天王山       乱

荒梅雨や行こか戻ろか天王山     輝子

雨貰ひ一気に開く苔の花       邦夫

梅雨湿り紅茶の香るテラス席     輝子

老鶯の張りある声に歩を止めぬ   眞知子

◎望楼を遙かに凌ぐ夏木立      邦夫

刻告げる音レトロなる梅雨館      翠

これが顔ミロの思ひや濃紫陽花   兵十郞

半夏生池の汀の白き揺れ        乱

bottom of page