top of page

第607回 平成30年年6月22日

               吟行 毛馬蕪村公園

  

選者吟

風やみて後のゆれこそ姫女菀    幹三

鵜の浮いて来るまで待つてゐることに 

じぐざぐに目で追うてゆく梅雨の蝶

 

幹三 選 

もじずりの野のそこここに蕪村句碑 翠               

◎夏蝶のだんだん低く子の丈に   暁子

万緑の神社におはす蕪村像     邦夫

大川へ低き機影や夏木立      翠

◎夏雲や船名錆びし船溜り     翠

蕪村目にせしか毛馬なる捩花を   乱               

夏草や閉ぢし閘門水澱む      瑛三

◎毛馬橋を使ひ夏河渡りけり    乱

◎青柿のくぐもる色や蕪村の碑   兵十郎

やまももに手が届きさう橋の上   輝子

◎夏空や長き堤の右左       邦夫

草茂る長き堤や蕪村の碑      邦夫

オフィス街夏川ゆるやかに曲がる  暁子

◎夏川に向きボクサーはシャドーする

                 兵十郎

江戸行きを蕪村思案の夏の浜    元彦

閘門の頑としてあり夏の川     暁子

姫女菀の先に閘門閉じられて    言成

舫ひ船目がけ波寄す夏の川     暁子

梔子の錆色の花香の残る      眞知子

毛馬橋の長きを夏の日ざし背に   瑛三

若き日の蕪村跳びこむ夏至の浜   元彦

淀川の青葦の群浮くごとく     眞知子

馬堤なる夏草踏みし蕪村かな    邦夫

片陰をそれてよき香の花木へと   翠

対岸に溶接の火や夏の川      輝子

雨蛙午後の懈怠を蹴りとばす    暁子

bottom of page