待兼山俳句会
第623回 令和元年7月22日
兼題 梅雨明・向日葵(幹三)
浴衣・金魚(暁子)
選者吟
梅雨明を一日延ばす細雨かな 幹三
淀川をいつぱいにして梅雨明くる
梅雨明の家の疲れてをりにけり
ただ今と言へば金魚の口開くる 暁子
糊ききし浴衣に着替へわが時間
向日葵を焦がし夕日の今沈む
選者選
幹三選
名簿順ひまはりの鉢並びをり 輝子
髪あげて二十才のにほふ初浴衣 太美子
山巓に雲立ち上がり梅雨明けぬ 昴
糊ききし浴衣に着がへ我が時間 暁子
◎物思ふ金魚一気に掬はるる 兵十郎
金魚掬ふ子に応援のかしましく 輝子
◎傾ぎ着く島の渡船や雲の峰 正信
◎飼育下手なのに金魚を欲しくなる 太美子
目の前がはきはき見えし梅雨明くる 橙
向日葵の屹立したる岬かな 正信
◎ただ今と言へば金魚の口開くる 暁子
梅雨明けて螺髪ほぐるる廬舎那仏 和江
宿浴衣はだけしままに帰館せり 洛艸
ゴツンゴツと風向日葵に当りゆく 昴
肩ぐるま浴衣姿の相似形 安廣
源流は天狗の谿や百合の花 正信
梅雨明けて家中風の道となる 邦夫
フクシアが飛び去らぬやう鍵かくる 橙
向日葵の迷路で仰ぐ空の青 眞知子
梅雨明の近しと言うて今日も雨 瑛三
三千の尻駆け巡る山笠の朝 正信
梅雨明けや女性候補の声強く 元彦
◎大いなるひまはり畑の笑顔かな 太美子
◎宿の名の浴衣着揃ひ磯の夕 洛艸
金魚鉢の向かうに歪む笑顔かな 安廣
暁子選
場所入に自前の浴衣新十両 瑛三
名簿順ひまはりの鉢並びをり 輝子
◎梅雨明けむ雲の穴より青き空 兵十郎
向日葵の己が重さに耐へてをり 幹三
向日葵の黄の波高しアンダルシア 盛雄
山巓に雲立ち上がり梅雨明けぬ 昴
淀川をいつぱいにして梅雨明くる 幹三
◎琉金の裳裾に狭き鉢住まひ 瑛三
ボヘミアの夜空に高く夏の月 茉衣
梅雨明や滑りさうなる庭草履 邦夫
茗荷の子大人になれる日に会おう 橙
◎母を待つ居残りの児に虹架かる りょう
向日葵の屹立したる岬かな 正信
向日葵の戦場跡に嚇嚇と 乱
釣れたてのバケツ届くや鮎料理 遊子
金魚追ふひく手返す手神の技 兵十郎
太陽の季節向日葵日を呷り 言成
向日葵は悩まずいつも頭あげ 輝子
◎髪洗ふ水やはらかし帰国の夜 正信
曝書するつもりの筈が読み込みし 洋一
肩ぐるま浴衣姿の相似 安廣
一輪で句会を制す鹿の子百合 翠
梅雨明を一日延ばす細雨かな 幹三
きようだいは合唱したり蚊帳の中 遊子
向日葵の迷路で仰ぐ空の青 眞知子
◎梅雨明の近しと言うて今日も雨 瑛三
梅雨明や教会の塔天を指し 乱